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2009.02.19

卵と壁だ!さぁどっち?

村上春樹さんの「エルサレム賞」授賞式。スピーチの日本語訳を見つけた。ちょっと読んでみたら、不覚にも感動。悔しいので感想をここに書いておきます(笑)。

その前に、ワタシ村上春樹さんの作品は読んだことないです。もとより、文学に疎くて、まず話題作に気付くのが遅いです。一歩も二歩も遅れてついて行くのも、なんだか恥ずかしい気がしてね。「ノルウェイの森」しかり、「海辺のカフカ」しかり。題名だけ知ってて内容は全く知らないです。「エルサレム賞」を知らないのはあたり前田のクラッカー(いや、申し訳ない)

で、感想ですが、
「(素晴らしい+正しい+当たり前)×百万倍」。+感動。

いや、褒めているんです。社会的な立場やしがらみや世間体などをちょっと横に置いといて、一人の人として素直になれたなら、誰だって同じことを考えられるでしょうよ。でも表現能力として村上さんのようにはいかないだろうから埋もれちゃう。しかし本質はスピーチの文学性ではなくて内容だろうと思うわけ。村上さんの表現が上手なところでなく、内容と行動(イスラエルへ行ったこと自体)が素晴らしくて、且つ、当たり前の内容だと思う。なかなかこの「当たり前」に気付けないのだよね僕たちは。。。

「善悪がどうであれ、卵と壁がぶつかってるなら、必ず卵の側に付く」と、この宣言に脱帽です。ハゲアタマぴっかり君ですよ。そもそも、今や一元論とか二元論は行き詰っていますよね。だからって全てをあいまいにして良くなるわけでもない。

「日本人はYes/Noがはっきりしないからダメ!」ってよく言われるけど、子供のころからぼんやりと「そりゃお門違いだね」と思っていたんです。日本人はYesでもNoでもなくって、YesとNoの中間とは限らない、「第三の答え」を持っているのではないかと。そしてYes/Noでは「答えようがない」ということなのではないかと。。。ま、すべてのケースでそうだとは思わんが。。。しかし、そういうこともあるのではないかと。。。そう気付かせてもらったわけです。40前にして。。。

って、なんの話でしたか?えーっと、そうそう、要するに何事も物差しの問題であって、物差しが違えば善悪はひっくり返るということです。別の物差しを、それぞれがあてて、それぞれが善悪を判断して、相手を糾弾したり、丸く収めようとするのが出てきたり。そんなこんなで余計にややこしくなるわけだ。一方が納得すれば他方が納得できるはずがない。だってそれぞれ持ってる物差しが違うんだから、当たり前だのクラッ・・・ヤメトコ。そして「共通の物差しを作りましょう」も失敗するよね。みんな、それぞれ自然発生的な(生活に根ざした)物差しを既に持っちゃってるからね。そっちの方が強い。折衷案を出したとしても、「頭ではわかってても体が覚えておるではないか。ウヒヒのヒ」ということになるわけだ。

「じゃ、何に頼るのか」というところで、村上春樹さんは全く別の物差しを持ち出してきて、あっけらかんと「善悪を判断基準としない」と言い切ったわけです。壁と卵がぶつかってたら何が何でも卵を応援すると。「それは当たり前じゃないか」と。

言いかえればこれは日本語で言う「判官びいき」に通じるかも。皆持っている感覚だと思うけど、もしやこれは日本人以外には理解し難い感覚かな。言語的な特性に依存しそうな気がしますね。まーその、とても日本人的な判断基準もありうると、村上さんはそれを卵と壁でうまく表現したのではないかと、こう思うわけです。すごいよ村上さん。って考え過ぎかな。

いやでもホント、真面目に深く、そして静かに感動させてもらったような気がしましてね。「うんうん、そやねー」って納得できる。勉強させてもらったような、そんな感じ。

といって、村上春樹さんの本を読もうとまでは、まだ思っていないわけで。すみません。ごめんなさい。

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コメント

ぱぱろぐさん、村上春樹のスピーチは素晴らしかったですね。
訥々とした必ずしも流ちょうな英語ではなかったですが、彼の思いは十分に伝わったのではと思っています。

彼のエッセーは何冊か読んだことがありますが、小説はまだ読んだことはありません。
『ノルウェーの森』を何度かトライしかけたことがありましたが、平易な文章の割には中身が濃いので、トライは失敗に終わっていますわsweat02

マーサーさん、
日本語訳しか読んでいないのですが、文章として「出来すぎ」といわれそうなくらいの物だったと思います。
お父様のお話やお坊さん、死に対する感覚の部分とかは、実はフィクションじゃないか?と思ったり。。。
冒頭部分で複線を引いているとか。
深読みは、いろいろ面白いですね。
機会があれば読んでみようと思っています。機会があれば(笑)

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