「今見なくていつ見るの?!」な「帰ってきたヒトラー」(独2014年)
Amazonプライムでコメディのカテゴリでオススメされたが、ヒトラーの名前を出しておいて「そんなわけないやろ?」と思いながら視聴。
ヒトラーがなぜか2014年のドイツにタイムスリップしてくるというところから始まる。 序盤から中盤にかけては細かいジョークでくすっと笑えるが、やはり純粋なコメディとは思えない感じで進行。
現実のドイツの政治家たちが登場する。 先ごろ辞任を発表したメルケル首相も出てきて面白おかしく揶揄される。 極右政党の党首にヒトラーが直接会いに行ってコテンパンにこき下ろすとか、もう笑えない。
「ちょっとこれ国際社会的に大丈夫なの?」と思うぐらいのジョークが多くなってきて、なんだか末恐ろしく感じてくる。
そして、終盤にかけて、やってることが怖いのではなく、今この時点の世界が本気で怖くなる。
2018年の今でも、世界中で起こっている現実を突きつけられる感じの映画。新手のホラーって感じ。
世界中で議論される移民問題。アメリカ合衆国の中間選挙の時期でトランプさんがメキシコ国境へ軍を配備とかそういう状況。日本でも国内問題に加えて移民に関する議論がこれからいろんなプレッシャーとともにやってきそうだし。そんな状況だからこそ、一度見ておくべき映画だと思った。
国際情勢に疎過ぎる人は意味が分からないかも。 あと右に傾き過ぎている人も。怖さを感じないかもしれない。 そういう現実に怖さを感じる。
政治上の国際的な取り決めなどが建前として存在しているけど、ほとんどの人たちが、日々の暮らしに一生懸命でそんな広い世界を見る余裕がなくて「現実はこうだ!」と言っている。赤裸々に意見表明をするかどうかは分からないけど、聞かれれば答えるだろうしってところを突いている。 こういう建前と現実が、アメリカでトランプ政権を生んだのだろうし、日本でも一部が危惧する安倍長期政権の不気味さにつながっているのかなと。
まあ、まとめると、面白いというか、興味深いというか、考えさせられる映画です。 面白い部分も多くありますが「気が付けばえらいことになっているのかも?」ってな怖さのほうが勝っちゃう感じ。 とはいえ一度は見るべきだと思います。
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